コストと安全性を両立。既存の道路にも設置可能な自転車脱輪防止側溝とは
コストと安全性を両立。既存の道路にも設置可能な自転車脱輪防止側溝とは

日常の移動手段として、健康のためにそして趣味として、世代を問わず多くの人に愛されている自転車。風を感じながら走るのはとても気持ちがいいものです。
しかしその一方で、残念ながら自転車が関わる事故はなかなか減らず、社会課題となっています。事故の原因として、もちろん運転者自身の不注意もありますが、意外と見過ごされがちなのが、道路の環境に起因する事故です。特に注意が必要なのが、道路の端にある「側溝」。自転車の細いタイヤが側溝の溝にはまってしまう脱輪は、転倒や大事故につながる危険性があります。
そこで今回は、自転車事故の軽減に役立つ新しい道路の取り組み、「自転車脱輪防止側溝」についてご紹介します。
従来の側溝の問題点
L型側溝など道路のあちこちでよく見かける従来の側溝は、雨水を効率よく排水できるような構造になっていますが、コンクリート部分(エプロン)が道路上に露出しています。そのため、自転車は走行する際に段差やガタツキが生じ、バランスを崩して転倒してしまう危険があります。すると、自転車の利用者は、段差やガタつきを避けようとして車道寄りを走行する恐れがあります。
その結果、車道側へ寄った自転車が後ろから走行してくる自動車と接触するなど、危険を回避するために別の危険を生む恐れがあります。
自転車脱輪防止側溝とは
一言でいうと、自転車が走行しやすいように工夫された側溝のこと。側溝の一部を舗装で覆うなどすることで、側溝のスリット部分を狭くしたり、エプロン部分を小さくしたりします。これにより、自転車が側溝にタイヤを取られて転倒する危険が減り、自転車が安心してスムーズに走行できる道路になります。
自転車に優しい側溝の工夫

※写真は弊社の自転車専用側溝SL型
- スリット幅の縮小 側溝のスリット部分を狭くすることでタイヤがスリットに嵌らないようにし、自転車の転倒を防ぎます。
- エプロン幅の縮小 エプロン部分を小さくすると、アスファルトで舗装された部分が広がります。すると、段差やガタツキが軽減され、自転車の走行性が高まります。
- 平坦性の確保 側溝と道路の舗装部分の段差をなくし、平坦性を確保。平坦になれば段差によって自転車のバランスを崩すことがなくなり、自転車がスムーズに走行できるようになります。
- 滑り止め加工 側溝に滑り止め加工を施すことで、雨天時や路面が濡れている場合でも、タイヤがスリップするのを防ぎます。
自転車に優しい側溝にするメリット
- 安全性の向上 自転車の転倒や自動車との接触事故などのリスクを軽減し、自転車が安心して走行できる道路を作ります。
- 走行性の向上 段差やがたつきのない道路は、自転車のよりスムーズな走行をサポート。その結果、環境にも優しく健康的な自転車の利用を促進できるでしょう。
- バリアフリー 自転車に優しい側溝は、自転車のみならず車椅子やベビーカーなど、他の交通弱者にとっても利用しやすい環境を整備できます。
導入事例
自転車に優しい側溝は、自転車の安全な通行を確保するだけでなく、より快適な自転車利用環境の整備に貢献しています。国土交通省と警察庁が公表する「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」(2024年改定)は、自転車通行空間づくりの考え方を示すもので、平坦で安全な走行環境の整備を重視しています。
例えば、国土交通省の新技術情報システム(NETIS)に登録された技術「スラッと側溝」(登録番号:CG-160006-A)は、路肩の平坦性向上と滑りにくい構造により二輪車の安全性向上を狙った製品です。各地で導入事例が見られます。
まとめ
普段、何気なく利用している自転車。その移動が健康や趣味につながる一方で、道路の「側溝」という見過ごされがちな部分には、大きな危険が潜んでいます。「自転車脱輪防止側溝」は、単に転倒事故を防ぐだけでなく、安心して走行できるようにして、自動車との接触事故のリスクを減らす役割も果たしています。 スリット幅やエプロン幅を減らしたり滑り止め加工をしたりすることで、自転車に優しい道路環境を実現できるでしょう。





